我々の文化的反抗の狼煙[一]

 芸術・文化は危機の最中であるという話をよく聞くが、暫くの間、そんな実感はまるで無かった。 どうしてかと言えば、そういうことを口にする人々は、その明確な根拠を、丁寧に時間をかけて語ってくれることはないからである。 というのもまぁ当然と言えば当然で、そんなことはその人たちにはわかりきったことであるからだ。

 また、教養豊かな人間が、全く教養の無い人間に対して物を教えると言うのは、想像する以上にとても大変な仕事なのだ。

 特に現代においては、そのような複雑な思想を伝達する余裕を持つことはひどく難しい。 大人は誰も彼もが働き詰で、じゃあ子供は自由なのかと言われれば、全然自由じゃない。 我々高校生は勿論受験や就職一直線だし、中学生の時だって高校受験という重しがかかっているし、はたまた小学生だって、毎日毎日塾と習い事のオンパレード。 最近は幼稚園児だって英会話教室やらスイミングプールやらと多忙の毎日を送っているのである。

 その結果が年間30000人の自殺者と世界58位の幸福度、さらには報道の自由度ランキング67位の我が国日本というわけだ。

 閑話休題

 本稿の趣旨は、芸術・文化の盛衰の観点から、そのような日本の現状を歴史的に分析し、それに対する文化的反抗の狼煙を上げることである。 出来るだけ誠実に、分かり易く書いていくつもりなので、ぜひ一読していただきたいと思う。